サプリメントや薬の働きを利用して、明晰夢を見る可能性を高める。これが「明晰夢サプリメント」の考え方です。具体的には、睡眠や記憶に関わる神経伝達物質の働きに影響を与えることで、夢の中で自分が夢を見ていることに気づきやすくしようとします。

この記事では、明晰夢サプリメントの目的や従来の訓練法との違い、夢に働きかける仕組み、科学的な研究結果について、わかりやすく解説します。

なお、このサイトは、サプリメントや薬の購入・使用を勧めるものではありません。明晰夢を目的とした自己判断での使用は、すべて自己責任で行ってください。 使用を考える場合は、事前に医師や薬剤師に相談してください。

「明晰夢サプリ」には、医薬品も含まれる

「明晰夢サプリメント」は、特定の製品名ではありません。このサイトでは、食品として販売されるサプリメントだけでなく、医薬品として使われる成分も含めて、便宜上「明晰夢サプリメント」と呼んでいます。

その一例が、明晰夢サプリメントの基本レシピに使われるガランタミンです。ガランタミンは日本では、アルツハイマー型認知症の治療に使われる処方箋医薬品の成分です。認知症治療では通常、1日16~24mg(1週間で112~168mg)を使用します。一方、海外の明晰夢研究や実践例では、1回4~10mgのガランタミンが用いられています。仮に1回10mgを週1~2回使用した場合、1週間の合計は10~20mgとなり、認知症治療と比べて大幅に少ない量です。ただし、日本では明晰夢を目的としたガランタミンの使用は承認されておらず、少量だからといって安全性が保証されるわけではありません。

明晰夢サプリメントは何のために使うのか?

明晰夢サプリメントの一番の目的は、夢の中で自分が夢を見ていることに気づき、明晰夢を見る可能性を高めることです。しかし、目指しているのはそれだけではありません。明晰夢になった後の体験をより豊かにしたり、眠りに入りやすくしたりするためにも、さまざまな成分が試されてきました。その目的は、大きく5つに分けられます。

  1. 夢だと気づきやすくする:普通の夢を見ている途中で、自分が夢を見ていることに気づく可能性を高める。
  2. 意識を保ちながら夢に入る:眠りに入る途中で意識を保ち、WILDによって明晰夢を見ることを目指す。
  3. 夢の中の体験を豊かにする:夢を鮮明にしたり、長く続けたり、思いどおりに行動したりすることを目指す。
  4. 夢を思い出しやすくする:目覚めた後も夢の内容を覚えていられるようにする。
  5. 眠りへの移行を助ける:二度寝法などで、いったん目覚めた後に再び眠りにつきやすくすることを目指す。

それぞれの成分の特徴や役割については、明晰夢サプリメント成分一覧|ガランタミン・コリン・5-HTP・メラトニンほかで紹介しています。

訓練法との違い|薬やサプリメントの作用で明晰夢を目指す

明晰夢を見るためには、自律訓練法やバイノーラルビートを使った瞑想など、さまざまな訓練方法があります。しかし、こうした方法で明晰夢を見られるようになるには、時間をかけて練習を重ねる必要があり、誰もが簡単に習得できるわけではありません。

そこで注目されているのが、薬やサプリメントの働きを利用する方法です。従来の訓練法とは異なり、薬理作用によって脳の働きに影響を与え、明晰夢を見やすい状態をつくろうとする試みです。

さらに、薬やサプリメントの作用を、二度寝法(WBTB)やMILD法などの方法と組み合わせることで、明晰夢を見る可能性が高まることが確認されています。

2018年、スティーブン・ラバージ博士らは、121人を対象にガランタミンの効果を調べる比較研究を発表しました。参加者全員が二度寝法とMILD法を実践し、ガランタミンを使用した場合と使用しなかった場合で、明晰夢を見る割合を比較しました。

条件明晰夢を見た割合
普段の睡眠(事前調査からの推定値)約4%
二度寝法+MILD法+プラセボ14%
二度寝法+MILD法+ガランタミン4mg27%
二度寝法+MILD法+ガランタミン8mg42%

約4%は、参加者が申告した過去6か月間の明晰夢の回数から推定した値です。実験では、同じ二度寝法とMILD法を行った条件を比較し、ガランタミンを加えた場合に明晰夢を見た人の割合が高まりました。

なぜ夢に影響する?神経伝達物質に働きかける仕組み

私たちの脳では、神経細胞同士が「神経伝達物質」と呼ばれる化学物質を使って情報をやり取りしています。これらの物質は、睡眠と覚醒、記憶、注意、感情など、さまざまな脳の働きに関わっています。

薬やサプリメントの中には、神経伝達物質の働きを変化させるものがあります。こうした薬理作用を利用して、明晰夢を見やすい状態をつくろうというのが、明晰夢サプリメントの考え方です。

具体的にどのような成分が脳に作用し、夢に影響を与えると考えられているのかは、明晰夢サプリメントの作用機序で詳しく解説しています。

明晰夢サプリメントを使う際に気をつけること

明晰夢を見るために薬やサプリメントを利用する場合は、身体への影響にも注意が必要です。例えば、ガランタミンには吐き気など、胃腸の不調が起こることがあります。また、持病がある方や、ほかの薬を服用している方は、薬の飲み合わせにも注意が必要です。

また、明晰夢サプリメントとして紹介する成分の中には、日本では処方箋医薬品として扱われているものもあります。こうした医薬品も、一定の条件を満たせば個人輸入できる場合がありますが、輸入できる数量や必要な手続きには制限があります。

詳しくは、明晰夢サプリメントの副作用と相互作用|併用前に確認したいリスクと、明晰夢サプリメントの日本での扱い|個人輸入で知っておきたいことで解説しています。

まとめ|成分の働きと、夢だと気づく意識を組み合わせる

薬やサプリメントを使うことで、夢の鮮明さや持続時間、夢の中での意識や行動はどこまで変わるのでしょうか?

このカテゴリでは、さまざまな成分の薬理作用や科学的な研究結果、ガランタミンとコリンを組み合わせる基本レシピ、そして実践者による体験記録まで、明晰夢サプリメントの可能性を詳しく紹介しています。

次の明晰夢サプリメントの基礎知識|効果・半減期・薬物相互作用では、半減期や飲み合わせなど、成分の働きや組み合わせを理解するための基本を解説します。

\ 海外の研究から探る、明晰夢とサプリメント /
明晰夢サプリメント研究
参考文献・一次資料
  • LaBerge, S., LaMarca, K., & Baird, B.(2018)“Pre-sleep treatment with galantamine stimulates lucid dreaming: A double-blind, placebo-controlled, crossover study.” PLOS ONE, 13(8), e0201246。二度寝法・MILD法にガランタミンを加えた効果を調べた比較研究。論文全文
  • 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「レミニール錠・OD錠・内用液 電子添文」。日本での規制区分、承認された効能、薬理作用、副作用の確認に使用。電子添文
  • 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」。医薬品の個人輸入に関する条件、数量、手続きの確認に使用。個人輸入に関する公式資料