脳は運動や言語、感覚、意識など、あらゆる活動を司っている器官です。他の臓器と違い、脳は部位によってそれぞれはたらきが違っています。夢を見るためには、脳を寝ている状態にしないといけませんが、明晰夢をみるためには、意識を司る脳の領域だけは起きている状態にする必要があります。これができると夢の中で意識を保つことができ、夢をコントロールできるようになります。
ローリング法からの体外離脱を使った明晰夢の記事では、寝る直前の意識が切れるタイミングで金縛りを誘発しローリング法で夢の中に入る方法を説明しましたが、ローリングをしなくても夢の中に入ることができます。イメージ法と呼ばれる方法です。
イメージ法のやり方
ローリング法では、布団に入り、リラックスし、意識を変性意識状態にします。変性意識状態になってから、体の変化をぼーっと感じ続けることで、さらに意識を落とし、体外離脱の前兆が起こるのを待ちます。その体外離脱の前兆が発生するのを待つ代わりに、積極的に夢の内容をイメージして、夢の中に飛び込んでいく方法がイメージ法です。
以下、イメージ法のやり方です。
- お布団に横になります
お布団の上で仰向けになり目を閉じます。できるだけ体を動かさないようにします。
- リラックスして瞑想をします
布団の上でリラックスして自律神経を副交感神経に切り替えていきます。普通に寝る時と同じです。
- 意識を変性意識状態(トランス状態)にもっていきます
- 眠りに落ちないように粘る
変性意識状態の「ああ、もう寝てしまう。もう眠りに落ちる。」という感じのときに、寝ないように意識を保ち続けます。ここまではローリング法と同じです。ローリング法と同じく体を動かしてはいけません。
変性意識状態で眠りに落ちないように自分の意識を保ち続けていると、自分が意識していない考えがふわふわ浮かんできます。この状態までは簡単に到達できます。寝るときにチャレンジしてみてください。ここでもう少しだけ意識を保って眠りに落ちないように頑張りましょう。
- ちらちら浮かんでくる映像を眺める
そうすると映像がちらちら見えてきます。目を閉じているので瞼を見ている状態ですが、まぶたの裏の暗闇の中に、夢の断片が映像となって見えてきます。この状態になるともう眠りに落ちる直前です。頑張っていないとすぐに眠りに落ちてしまいます。また、映像を注意深く見ようとすると目が覚めてしまい映像が消えてしまうので、映像を眺めるような感覚でぼーっと見てください。
映像を眺め続けていると映像が少しずつ長くなっていきます。ちらちらと一瞬で消えていた映像が数秒ぐらいになります。ちらちらみえる夢が発展してきます。そうなったら映像の中に自分が入り込んだことをイメージしてください。その映像の中に自分がいることを想像し、自分の周りを観察してください。
- 夢の中の映像の自分に意識を移していく
その後、自分の意識を、夢の中の映像の自分に移していきます。これが難しいのですが、本当にそこにいるかのような感覚にもっていきましょう。これがうまくいくと、夢の中にゆっくり移動できます。ちらちら見える夢の断片が30秒ほど見えるようになったら、映像に飛び込むこともできます。夢の映像に自分自身が飛び込むイメージをしましょう。明晰夢や体外離脱のことは意識せず、ただ飛び込むことをイメージしてください。
成功すると実際の肉体の感覚はほぼなくなり、するっと夢の中に入り込めます。夢の中に意識が入っていくのにつられて、体の感覚もほぼ同時に夢の中に移ります。
このイメージ法からの明晰夢は、ローリング法からの体外離脱のように、寝ている状態の体から自分自身がすっぽーんと抜け出すような錯覚はありません。しかし、イメージ法は金縛りを経由しないので、金縛りがこないと悩んでいる方は、この方法にチャレンジしてみましょう。
練習中は何度も寝落ちしてしまいますが、諦めずに何度も挑戦してみてください。
なお、イメージ法をやりながら、金縛り時の感覚を思い出すようにすることで、金縛りを誘発させることも可能です。ウトウトしているときに金縛りが発生した場合は、冷静にローリング法で体外離脱をして夢の中に入りましょう。