この方法は積極的にはお勧めしません。明晰夢の訓練を続けているが上手くいかないと悩んでいる方や、手っ取り早く明晰夢を体験してみたいという方専用の力任せの荒業です。
体外離脱の最もオーソドックスな方法は、金縛り経由のローリング法です。金縛りが起こればローリングすることで夢の世界に入っていけます。肝心の金縛りを発生させるために、腹式呼吸や瞑想で変性意識状態を作り出し、そこからさらに意識を落としていく方法を紹介しましたが、別の方法でも金縛りを起こすことができます。
金縛りはレム睡眠中に起こる睡眠麻痺とよばれる生理的な現象です。金縛りについての説明は、ローリング法を使った体外離脱や金縛り(かなしばり)の恐怖を克服する方法をご覧ください。
金縛りという睡眠麻痺になる主な原因について、ロンドン大学の特異的心理学研究者のジュリア博士とクリストファー博士が調査により、以下の要因が分かっています。
- シフト制の仕事や時差ボケなどによる不規則な睡眠習慣
- 疲労が蓄積
- 睡眠不足
不規則な睡眠により、睡眠と覚醒のサイクルが乱れることで、入眠期のレム睡眠が引き起こされ、金縛りが発生します。このことから、健全ではない睡眠をすることにより、無理やり金縛りを発生させる事ができるといえます。
今から紹介する方法は、眠気と疲労を限界まで高めて睡眠に入る事で、無理やり金縛りを引き起こすという、まさに諸刃の剣のようなテクニックです。無理やり金縛りを体験できますが、相応のリスクも覚悟しなければなりません。単純に不健康です。体に良くない方法です。ご自身の判断でチャレンジくださいませ。
徹夜アラーム法のやり方
- 徹夜をする
寝不足状態になるためにまずは徹夜をしてください。
さらに、腹筋運動、腕立て伏せ、スクワット等の筋肉トレーニングやランニングなど、運動をして出来るだけ体を疲れさせます。 - 体力の限界がくるまで寝ない
もう限界。横になったらすぐに寝てしまう。という状態まで頑張ってください。30時間ぐらい一睡もせずに起きて、さらに高強度の運動をすれば、このような状態になります。体力がある方は40時間ぐらい頑張りましょう。
- アラームを9分間隔にセットして寝る
この状態になったら目覚しアラームを9分間隔にセットし、アラームを止めても一定時間が経過すると再度アラームの鳴るスヌーズ機能をオンして寝ます。限界まで疲れているため、小さい音では起きることができません。アラームの音量を最大にしておいてください。
- スヌーズ機能で「寝る」「起こされる」を繰り返す
目を閉じるとすぐに寝てしまいますが、9分ごとに爆音アラームでたたき起こされます。何度も何度も、寝て、アラームで起こされる、を繰り返しましょう。何度も繰り返していると突然、金縛りにかかります。
金縛りが発生すれば、ローリング法で体外離脱をして夢の世界に入っていきましょう。この徹夜アラーム法をやることで、ほとんどの方は体外離脱からの明晰夢を達成できると思います。
アラームを9分間隔にする理由は、何回目のチャレンジなのかわかるようにするためです。例えば0時からチャレンジすると
00:00 → 00:09 → 00:18 → 00:27 → 00:36 → 00:45 → 00:54 → 01:03 → 01:12 → 01:21
というように、右端の一桁がカウントダウンしていくので、今は何回目の挑戦なのか、すぐに分かります。
なお、このやり方で明晰夢に成功しても、爆音アラームのせいですぐに目が覚めてしまうため、短い間しか明晰夢を体験できません。しかし明晰夢を一度自分の体で体験することには大きな意味があります。体外離脱前兆が発生する状態の体の感覚や、金縛りの感覚など、普段の生活では感じることのできない感覚を体で覚えることができます。
体が限界まで疲れていて、ものすごく眠い中、無理やり起きるのは辛いです。また、体への負担も相当大きいです。あえて修羅の道を歩むと決めた方はしっかり準備ください。規則正しい生活や栄養摂取をして体調を万全に整え、チャレンジする日と休息の為に、3連休を用意するなど、完璧に準備してからやってみましょう。