明晰夢で何ができる?明晰夢のメリット
明晰夢とは、夢を自由自在にコントロールできる技術です。では、その夢の世界で「何ができるのか?」
自分の願望を実現できる
夢の中では何でも出来ます。こんな言い方をすれば身も蓋もないですが、夢なのでホントに何でも出来ます。初めのうちは夢の世界に滞在することだけで精いっぱいですが、明晰夢を繰り返しているうちに熟練度が上がり夢が鮮明になっていきます。想像力が鍛えられていき、できることが増えていきます。
私が明晰夢でやりたかったこと。それは、舞空術で空を飛びながら、かめはめ波を打ってビルを破壊したり、怪獣と闘ったりすることでした。空を飛ぶのも初めはゆっくり浮くことしかできませんでしたが、今ではびゅんびゅん飛べるようになっています。
ここでは書けないようなエロいことはもちろん、現実では出来ないようなことができるのが明晰夢のすごいところ。創世のアクエリオンのように、夢の中にいるパートナーと実際に合体というか融合するようなことも可能です。熟練度を上げてから、ぜひチャレンジしてみてください。
想像力を鍛えることで、夢の世界でできることは増えていきます。夢の中では、まずは壁抜けを練習しましょう。壁抜けはとても簡単です。まずは腕を壁に突っ込むところからやってみてください。腕を壁にめり込ますことが出来れば、壁抜けはすぐできます。壁抜けは景色がガラッと変わりますし、感覚も面白いです。
空を飛ぶことも比較的簡単に習得できる技術です。パラグライダーをやったことがある方、バイクに良く乗る方は顔に風を受ける感じが想像できるので習得が早いと思います。まずはゆっくり浮くことからはじめてみてください。
周りの環境をガラッと変えることは大変難しいですが、扉を使うと難易度が下がります。扉の前に立ち、外の世界が変わっていることを想像しながら扉を開ましょう。
人間の召喚は最初の壁です。しかし練習すると、アイドルとか、女優さんとか、好きだった子とかを召喚できるようになります。昔告白できなかった好きだった子に逢うことも、過去に別れてしまった恋人と再開することもできます。最近会っていなかった人も見た目だけではなくしぐさや声もバッチリ再現されます。
脳の機能には驚かされます。脳で記憶が固定化され長期記憶が形成されると、シナプスといわれる神経細胞の結合部が恒久的に増強されます。普段の生活では思い出せないだけで、長期記憶は脳のどこかでずっと残っているのです。
二次元キャラの召喚は人間の召喚よりは多少難しいです。練習してください。ここでも脳機能のすごさを実感しました。二次元キャラを我々の三次元に呼び出しても違和感なく普通に存在しています。脳が情報補完をしてくれているのだと思います。フリーザー様を召喚して戦ったりしても面白いですよね。
精神や技術の発展に役立つ
スタンフォード大学の神経生理学者スティーブン・ラバージ博士は「明晰夢は自己の精神的な発展に役立てられる」と言っています。「夢の中で自分を攻撃をしようとする人間やモンスターなど、自分に対する敵対者は自分自身の心の影である。その敵対者と友人になることが出来れば、自分自身の心の影を自我に統合できる。明晰夢を使って心の問題を解決することができる。」とのこと。ラバージ博士によると、明晰夢で意識の裏に潜む苦しみの根源を見つけ出すことができ、また夢の中でその問題を解決することができるそうです。フロイトやユングなどを代表とする心理学者は、起床後に夢の内容を思い出し、それ解釈することで心の問題を解決させるという手段をとりますが、明晰夢で夢をコントロールできるようになると、心の問題を夢の中で直接解決できるようになります。
明晰夢は心理セラピーの応用だけではなく、複雑な運動の学習効果もあります。ハイゼンベルク大学のスポーツ心理学者エアラッヒャー博士によると、運動選手は走り高跳びなどに必要とされる複雑な運動の手順を、明晰夢によって練習するとより早く習得できるそうです。
大事な試合のトレーニングや仕事で行うプレゼンのリハーサルを行うことも可能です。
悪夢障害の改善の手段
スタンフォード大学医学部精神科の睡眠研究所では、悪夢障害の治療のためにも明晰夢が使われています。悪夢障害は、強い不安や恐怖を伴う悪夢を頻繁に見てしまう睡眠障害の一種です。悪夢障害のポイントは、不快な感情を伴った夢で目が覚めてしまうことです。
この悪夢障害に悩む人にとって、自分の夢をコントロールすることを学ぶことが、最善の改善方法であると言われています。Psychotherapy and Psychosomatics誌2006年10月号の記事によると、明晰夢の訓練をした人は悪夢を見る頻度が減ったそうです。明晰夢によって、夢の中で自分の認識性を高めることで、悪夢の内容、つまり自分が恐怖に思っている事柄から感情的な距離を置くことができるようになるためです。また明晰夢に熟達すれば、恐怖を避けるように夢の内容を自分でコントロールすることができます。
問題解決の手段、創造性の発揮
ガンジーが、イギリスのインド統治に対抗し、独立運動のために唱えた非暴力主義は、彼が見た夢によって触発されたものというのは有名な話です。
夢の内容は一見デタラメな内容であると感じることも多いですが、夢をヒントにアイデアを得た例が数多く報告されています。人間の思考にさまざまな制約をかけている脳の領域の活動が睡眠時には弱まっているため、覚醒時とは異なる発想ができるためです。
夢の中で現実世界での問題解決や新発見をした例は数々あります。オットー・レーヴィは夢の中で思いついた実験方法で、脳の神経伝達が電気ではなく化学物質によって行われていることを証明し、後にノーベル生理学・医学賞をとっています。彼はある日、夢の中で神経科学の実験方法を思いついたのですが、起床後、枕元の紙に夢の概要を書いて二度寝してしまいます。起床後、メモを見ても詳しい夢の内容を思い出すことができなかったため、大変悔しい思いをしました。ただし、彼は次の日も同じ内容の夢をみます。この日はきちんと起床し、実験室にいってすぐに実験を行ったそうです。
- オットー・レーヴィ(Otto Loewi)神経刺激の化学的伝達に関する発見
- アウグスト・ケクレ(Friedrich August Kekule)ベンゼン分子構造
- ドミトリ・メンデーレフ(Dmitry Mendeleyev)周期律表
- ポール・ホロウィッツ(Paul Horowitz)レーザー望遠鏡の制御技術
- ファン(Alan Huang)光コンピュータ技術
夢の中でのインスピレーションを活用し、創造性を発揮することもできます。
ビートルズの「Yesterday」は、1965年11月、ポール・マッカートニーが夢の中で思い浮かんだメロディを、起床後すぐにピアノで弾いて譜面にした曲です。夢の中で聞いた曲が耳から離れなかったため、ピアノで弾いた時には、きっとどこかで聞いて半分忘れてしまったメロディに違いないと思ったそうです。
18世紀のイタリアのクラシック作曲家、ジュセッペ・タルティーニの「悪魔のトリル」という有名なヴァイオリンソナタも、彼の夢の中に悪魔が出てきて演奏した曲を元に作曲しています。
明晰夢の欠点とは?明晰夢のデメリット
明晰夢のデメリットも説明させていただきます。
まず「人はなぜ夢を見るのか?」は今のところ完全には解明されていません。今のところ「記憶を整理するため」という説が一番濃厚です。これはネズミを使った有名な実験がベースになっています。
レム睡眠を奪ったネズミの実験
スタートは一本道で少し進むと分岐があり二本道にわかれているコースがあります。片方のゴールにはチーズのご褒美を、もう片方のゴールには電気ショックを設置し、ネズミを放ちます。チーズと電気ショックの位置を変えずにそのままにしていた場合、数回の経験でネズミはチーズの方にしか行かなくなります。その次に、チーズと電気ショックの位置を一回ごとに変更するという実験を行います。結果、睡眠中に夢をみていたネズミは数回の経験の後に毎回チーズに到達できるようになりましたが、睡眠中にレム睡眠を奪って夢を見せなかったネズミはいつまで経ってもチーズの場所を覚えることができなかったそうです。
メリットのところで説明した、明晰夢を使って走り高跳びの練習をするのと似ていますが、この実験結果から哺乳類は、夢の中でトライアンドエラーを繰り返すことで、難しい技術を習得するためのバーチャルな経験を積んでいるのではないかと考えられています。またこのことから記憶の整理をしているのではないかと考えられています。
夢はレム睡眠中に見ますが、レム睡眠中は体は麻痺して動かなくなります。誤解されている方も多いですが、夢遊病はレム睡眠中には起きません。深い眠りであるノンレム睡眠中に起こるので体が動くのです。なお、体を動かしたくても動かない金縛りになるのはこのレム睡眠が原因です。金縛り状態のときは脳はレム睡眠状態になっています。ですので、後述しますが金縛りは夢の中に入っていけるスーパーチャンス状態なのです。
話を戻しまして、レム睡眠中は体は麻痺して動かなくなります。しかも夢をみるため意識もなくなるので、生命として生き延びるためにはリスクのほうが大きそうに思います。寝ることが必要である理由が体を休ませることであるのならば、レム睡眠は必要なくノンレム睡眠だけでよいと思いますが、進化の過程の中で、哺乳類はレム睡眠とノンレム睡眠両方を獲得しました。レム睡眠には何らかのメリットが有るはずですが、今の時点では全ては解明されていません。
レム睡眠や夢をみる理由が完全に解明されているわけではありませんので、意図的に夢をコントロールすることが、人間にとって完全に安全なのかどうかわかりません。また、睡眠をいじるため、人によっては睡眠障害などの問題が出るかもしれません。何度もお伝えしますが、このコンテンツのご利用は自己責任でお願いします。
ハマり過ぎは危険です
経験上ですが、明晰夢にハマって毎日やっていたときは、起きているときも寝ているときも脳を常に動かしているのが原因でたいへん疲れていました。熟練度が上がってくると夢のコンティニューができるようになります。目が覚めてしまっても、もう一回寝て、夢のつづきをみることが出来ます。調子に乗って一晩に5回の夢コンティニューをするなど、明晰夢をやり過ぎると寝不足のような状態になり、思考力や記憶力が低下します。ほどほどにしましょう。
なお、この問題は睡眠時間を増やすことで解消ができます。私は明晰夢で遊ぶときは、普通の睡眠と明晰夢の為に、10時間ほど時間をとって楽しんでいます。
また、熟練度が上がってくると夢の世界で長い時間過ごすことが可能になります。脳が感じる時間のスピードは物理的な時間のスピードと同じではありません。すごく集中したときに時間がスローに感じたり、楽しく遊んでいるとあっという間に時間が過ぎていたりする経験があると思いますが、それと同じで、1時間ぐらいの睡眠中に、体感で3時間ほど夢の中に滞在することもできます。海外のツワモノには24時間以上夢の中で過ごす人もいます。
ですが、長期の明晰夢が出来るようになると夢の記憶と現実の記憶が混濁して混ざります。これは非常にまずいです。彼女などに「あのレストラン美味しかったよね?」と言っても「いや行ってないけど。誰と間違えてんの?」みたいなことが起こります。しかしこれはしょうがない。現実と夢の国で二重生活をしているようなものですから。
夢の中では何でもできます。夢の中で現実では実現ができないことを体験すると、ついつい友人、知人に話したくなります。ただし、明晰夢を信じない人もいるので気をつけましょう。どうしても信じてほしいという気持ちから、意地になって真剣に話しすぎると「この人は頭がおかしくなってしまった。」と思われるかも知れません。明晰夢はひとりで楽しむものです。周りの人に楽しい体験を話すことにも気をつけましょう。