夢日記とは「夢の内容を記録する日記」のことです。明晰夢を発現させるためには、夢日記を書くことが何より大事です。明晰夢を体験したいと思っている方は、さっそく始めてみましょう。

夢を見ないという人がいます。しかしこれは夢を見ていないのではなく、覚えていないだけです。夢の記憶は固定されにくいため、すぐに忘れてしまうのです。シカゴ大学のアセリンスキー博士とクレイトマン博士の研究によって、人はレム睡眠中にはたいてい夢を見ているということがわかりました。睡眠時間にもよりますが、通常一晩に5~10回の夢を見ています。夢を覚えている人も、全ての夢を覚えているわけではありません。

レム睡眠(夢を見ている) → 睡眠覚醒(睡眠から目覚める)

朝起きたとき夢を覚えていることが多いのは、この流れで目覚めるからです。夢は、眠りから目覚めた直後に、夢の断片を自分の脳内で思い出したときに改めて記憶されます。若干覚えていた夢を、起床直後に脳内で再生することによって記憶に固定され、頭に残るのです。

夢日記を書くことで、寝ている間に発生した意識体験を、起きているときに思い返すことになります。この思い返しが、夢の記憶固定には必須です。夢日記をつけて夢を記録することで、どんどん夢を覚えていけるようになります。はじめは1行しか書けなかった日記が、1ヶ月続けると簡単に1ページ以上書けるようになります。その他にも夢日記をつけることで、夢の中での滞在時間が伸びたり、夢が鮮明になったりという効果もあります。夢日記を継続すれば継続するほど、夢はどんどんリアルになっていきます。そして夢がリアルに鮮明になってくると明晰夢を見やすくなります。

夢日記のやり方

自分がみた夢が覚えられないと明晰夢に成功したとしても、成功したこと自体を忘れてしまいます。これがどんな訓練よりも夢日記を優先してやるべき理由です。

目が覚める直前に夢を見ていた場合は、夢の内容を覚えています。起きたらすぐに記録しましょう。朝でも夜中でも、目が覚めたらまず夢日記をつける習慣を身につけましょう。

夢日記の書き方は自由ですが、いくつかポイントがあります。

夢日記を書くポイント

  1. 枕元に記録するものを置いて寝ましょう。
    • メモとペン
    • スマホのメモ帳・日記アプリ
    • ボイスレコーダー
    • スマホのボイスレコーダーアプリ

    などなど、何に記録してもいいですが、起きてすぐに書かないといけないため、枕元においてください。読み返しが必要なので、ボイスレコーダーに録音した内容は後でテキストにしましょう。私はスマホの日記アプリに夢日記を書いていました。

  2. 起きてすぐに夢を思い出しましょう。

    十分な睡眠を取っている場合、人は毎日夢を見ています。起きてすぐのときは夢の内容を覚えているので、まずは朝起きたときに、布団から出ずに夢の中身を思い出してみてください。きっと夢の断片を思い出せるはずです。

    試してみたが、どうしても夢を見る事ができない(覚えておくことができない)という方は、レム睡眠中にアラームで起きてみましょう。ほぼ確実に、夢を覚えた状態で目を覚ますことができます。

    夢を見るのはレム睡眠と言われる浅い眠りの時です。通常、人は一晩に3回から5回のレム睡眠が発生し、レム睡眠ごとに平均2回の夢を見ます。このレム睡眠サイクルを効果的に狙います。眠りについてから4時間半後、6時間後、7時間半後にアラームが鳴るように目覚まし時計を設定してから寝てください。アラームが鳴るタイミングで夢を見ているので、目を覚ましたときには夢の断片を覚えているはずです。そこでどんな夢をみてたか思い出し、夢日記に記録しましょう。もし起きたときに夢のことを考えてみても何も浮かばないのであれば、そのタイミングで夢を見ていません。もう一度寝ましょう。

    これをやるためには、8時間ほどの睡眠時間を確保する必要があります。仕事の都合などで時間の確保が難しい方は、次の日がお休みの週末にチャレンジしましょう。

  3. 最初はキーワードだけを書きましょう。

    はじめの一歩はどんなに小さくてもかまいません。「友達のエイジ君と海に行った。」とかいう一言ぐらいでもかまいません。「エイジ、海」でもOK。まずは思い出せた断片だけでも記録してください。単語ひとつだけでも記録ください。

    夢日記をキーワードひとつからはじめても、書くことを続けていくと夢がリアルになっていって、細かい内容まで覚えていられるようになります。日記の文章量もどんどん増えていきます。夢の中で何をしたのか、どんな場所だったか、誰と出会ったか、まずはこの辺から書いていきましょう。

  4. 自分の感情を書き加えましょう。

    夢の中で何が起こったのかを書くのと共に、どう思ったのかを書きましょう。意識している部分と無意識の部分を両方記録することに繋がります。

    夢は自分自身とその周りの世界で構成されています。夢の中では、自分自身の存在を意識が、周りの世界を無意識が作っています。

    自分がどう思ったかを夢日記に記録していくことで、夢の中で意識を強く持つことが出来るようになり、明晰夢を発生させる能力が身についてきます。

  5. 書いた日記を何度も読み返しましょう。

    夢の内容を頭の中で反復して呼び起すことが何よりも重要です。「夢を思い出して記録する。その記録を読んで夢を思い出す。」このサイクルが重要です。このサイクルが訓練になっています。

    夢日記は何度も読み返してください。特に、夜寝る前に読み返すと効果的です。毎晩寝る前にどんな夢だったか思い出すようにしながら、1週間ほどさかのぼって読み返してください。

これらの工程を繰り返すことで、起きてしばらくしても夢を記憶できるようになり、すぐに一晩で3つから5つぐらいの夢を日記に記録出来るようになります。

以上が夢日記の書き方です。どんどん書けるようになるまで継続しましょう。夢日記は誰でも簡単に始められ、続ければ続けるほど効果が出ます。起きてすぐに夢日記を書く。そしてその夢日記を読み返す。このサイクルを続けましょう。

夢日記は危険なの?

本来は、忘れるようにプログラムされている夢の内容を覚えておくことは自然の摂理に反するため「夢日記をつけて、夢を覚えるような行為は危険である」と説明しているサイトもあります。本当に危険なのでしょうか?夢の内容を覚えることの危険性について興味がある方は、動物が夢の内容を覚えていると危険な理由も併せてご覧くださいませ。