海外では、明晰夢を見るために、さまざまなサプリメントや薬を利用する方法が知られています。脳に働きかける成分を使うことで、夢を鮮明にしたり、夢の中で「これは夢だ!」と気づきやすくしたりするという方法です。
このカテゴリでは、海外の研究や文献をもとに、各成分の働きや明晰夢に関する研究結果を紹介します。ただし、サプリメントや医薬品の購入・使用を勧めるものではありません。明晰夢を目的とした個人輸入や自己判断での使用は、すべて本人の責任で行ってください。 使用を考える場合は、日本の法律や輸入条件を確認し、事前に医師や薬剤師に相談してください。
個人輸入や使用は自己責任となるため、サプリメントや薬が日本ではどのように規制されているのか、事前に知っておく必要があります。海外ではサプリメントとして販売されていても、日本では医薬品に分類されるものや、医師の処方箋が必要なものもあります。では、そうした成分を海外から取り寄せ、自分で使うことは違法なのでしょうか?
条件を守って、個人輸入が認められている薬を自分用に取り寄せること自体は、違法ではありません。ただし、輸入した薬を人に売ったり、無料で譲ったりすることは認められていません。
この記事では、明晰夢に関係するサプリメントや薬の日本での扱い、個人輸入の決まり、そして実際に使用する際のリスクや注意点について解説します。
海外のサプリメントが、日本では薬になる理由
明晰夢のために使われるサプリメントや薬は、海外と日本で同じように扱われるとは限りません。海外ではサプリメントとして買える成分の中に、日本では医薬品として扱われるものがあります。まず、サプリメント、医薬品、処方箋医薬品の違いを整理しておきましょう。
サプリメントは、栄養補給や健康維持のために利用される食品です。 錠剤やカプセルの形をしていても、病気を治療する医薬品として承認されたものではありません。
医薬品は、病気の治療や予防などに使われる薬です。 日本で薬の承認を受けるには、医薬品医療機器等法、いわゆる薬機法に基づいて、品質、効果、安全性の確認が必要です。薬局やドラッグストアで処方箋なしに買える市販薬も、医薬品に含まれます。
処方箋医薬品は、医薬品の中でも、医師が発行する処方箋が必要な薬です。 医師が症状や持病、ほかの薬との飲み合わせなどを確認し、その人に合った薬と使い方を判断して処方します。日本国内で購入するには、処方箋が必要です。
日本では、成分や表示する効果などから、食品と医薬品を分けて判断します。これを「食薬区分」と呼びます。厚生労働省は、薬として扱う成分と、医薬品のような効果をうたわなければ食品として扱える成分のリストを示しています。この区分に基づき、海外で食品のサプリメントとして販売されている製品でも、薬として扱う成分が入っていれば、日本では医薬品としての輸入ルールが適用されます。
このサイトで紹介する「明晰夢サプリメント」には、食品として扱われる成分だけでなく、日本では医薬品に当たる成分も含まれています。
代表的な成分の特徴と、日本での扱い
海外の明晰夢研究や文献には、どのような成分が登場するのでしょうか。ここでは代表的な6つを紹介します。まずは、それぞれがどのような成分で、日本では食品と薬のどちらに当たるのかを見てみましょう。
| 成分 | どのような成分? | 日本での扱い |
|---|---|---|
| ガランタミン | 脳内で情報を伝える物質の一つ、アセチルコリンの分解を抑える薬です | 医薬品として扱われます。 国内で購入するには医師の処方箋が必要です。条件を守れば個人輸入できます。 |
| 5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン) | 脳内の情報伝達に関わるセロトニンを作る材料になる成分です | 医薬品として扱われます。 日本では医薬品成分に分類されますが、国内で承認された処方箋医薬品は確認できません。条件を守れば個人輸入できます。 |
| メラトニン | 体内でも作られ、睡眠と覚醒のリズムに関わるホルモンです | 医薬品として扱われます。 国内で承認されている薬の購入には医師の処方箋が必要です。条件を守れば個人輸入できます。 |
| Alpha-GPC(アルファGPC) | アセチルコリンの材料になるコリンを補う成分です | 食品として扱える成分です。 医薬品のような効果をうたわない場合は、食品のサプリメントとして個人輸入できます。 |
| ニコチン | たばこにも含まれ、禁煙用のガムやパッチにも使われる成分です | 医薬品として扱われます。 国内では処方箋なしで買える禁煙補助薬もあります。条件を守れば個人輸入できます。 |
| ピラセタム | 日本では、特定の不随意運動(自分の意思とは関係なく起こる身体の動き)の治療に使われる薬です | 医薬品として扱われ、個人輸入には特別な手続が必要です。 少量でも医師の処方箋などの書類と輸入確認証が必要です。 |
このように、海外でサプリメントとして販売されている成分でも、日本では医薬品として扱われるものがあります。では、個人輸入するときには、どのような条件や決まりを守る必要があるのでしょうか?
薬の個人輸入は違法なのか?認められること・認められないこと
薬の個人輸入とは、自分で使うために、海外から薬を取り寄せたり、海外から薬を持ち帰ったりすることです。ここでは、主に海外から郵送などで取り寄せる場合を説明します。
実際に、薄毛の治療薬やED(勃起不全)の治療薬などを、海外から個人輸入している人も少なくありません。厚生労働科学研究による2019年の調査でも、育毛や性機能の改善を目的とした薬は、個人輸入される医薬品の主な種類に挙げられています。
では、そもそも薬の個人輸入は、なぜ認められているのでしょうか? 厚生労働省は、その理由として、外国で受けていた薬物治療を続ける必要がある場合や、海外からの旅行者が普段使っている薬を持ち込む場合などへの配慮を挙げています。つまり、個人輸入は、日本で未承認の薬を何でも自由に使えるようにする制度ではありません。自分自身で使うことを前提に、条件を満たした輸入が認められているのです。
先ほど紹介したガランタミン、5-HTP、メラトニン、食品として扱われるAlpha-GPC、ニコチンを含む禁煙用のガム・パッチは、自分用に個人輸入できます。 ただし、医薬品には数量や手続の条件があり、ピラセタムには少量でも特別な手続が必要です。複数の成分が入った製品には、それぞれの成分に関する規制が適用されます。ここでの説明は成分ごとの基本的な扱いであり、具体的な製品の通関を保証するものではありません。
自分で使う薬は取り寄せられるが、人には渡せない
医薬品の個人輸入で認められることと、認められないことを整理すると、次のようになります。
認められること
- 個人輸入が認められている薬を、決められた数量や手続を守って、自分で使うために取り寄せること。
認められないこと
- 個人輸入した薬を、他人に売ること。フリマアプリやオークションで転売することも認められません。
- 個人輸入した薬を、無料で他人に譲ること。友人や家族へ分ける場合も含みます。
- 友人や家族の分をまとめて注文すること。複数人で薬代や送料を出し合う共同購入も、この条件に反します。
「余ったから友人に渡す」「自分に効いたので家族にも分ける」という行為も、自分用の個人輸入としては認められません。お金を受け取るかどうかではなく、輸入した本人が使うかどうかが重要です。また、麻薬・覚醒剤・指定薬物など、一般の個人が海外から取り寄せることを禁止されている薬物もあります。「自分用なら、どんな薬でも輸入できる」という意味ではありません。
申請なしで取り寄せられる量には上限がある
輸入確認証とは、自分用の薬の輸入が法律の条件に合うかを確認したうえで、地方厚生局が発行する書類です。これは輸入手続のための書類であり、その薬を使うことの安全性を認定するものではありません。
厚生労働省は、輸入確認証を事前に取得しなくても個人輸入できる薬の量を、次のように示しています。
- 毒薬・劇薬・処方箋薬:1か月分以内。
- それ以外の飲み薬など:2か月分以内。
「毒薬」「劇薬」は、取り扱いに特に注意が必要な薬を区別する法律上の分類名です。日本で承認されているガランタミンの薬は劇薬・処方箋医薬品に分類されているため、輸入確認証の事前取得なしで取り寄せる場合は、1か月分以内の範囲になります。
事前の輸入確認を省ける扱いには、数量だけでなく、郵送などで取り寄せる場合は自分の住所地で受け取るという条件もあります。この条件に合っていても、税関での確認は行われます。また、「1か月分」とは、その薬の用法・用量をもとに計算した、個人輸入できる数量の基準です。数量の上限を超える場合には、地方厚生局へ申請し、輸入確認証を取得する必要があります。
ピラセタムは、少量でも特別な手続が必要
ピラセタムは、厚生労働省が指定する「数量にかかわらず輸入確認を必要とする成分」に含まれています。そのため、郵送などで取り寄せる場合は、少量であっても医師の処方箋などが確認できなければ輸入できず、輸入確認証も必要です。「1か月分以内なら、どの薬でも書類なしで取り寄せられる」と考えてはいけません。
個人輸入した薬を、自分の身体で使うとはどういうことか?
法律の条件を守って薬を輸入できたとしても、それで「明晰夢のために安全に使える」と確認されたわけではありません。ここからは、輸入の条件とは別に、自分の身体に薬を作用させることの意味を考えてみましょう。
明晰夢の研究と、日本での承認用途は別
ガランタミンと明晰夢の関係については、複数の研究機関で実験が行われています。2018年には、スタンフォード大学で明晰夢の研究を行っていたスティーブン・ラバージ博士が、ルシディティ研究所とウィスコンシン大学の研究者らとともに、比較実験を行いました。二度寝法やMILD法と組み合わせたところ、ガランタミンを使用した場合は、使用しなかった場合よりも明晰夢が多く報告されました。また、同じ2018年には、テキサス大学などの別の研究チームもガランタミンを使った実験を行い、夢の中で「これは夢だ」と気づく度合いが高まったことを報告しています。
このように、ガランタミンと明晰夢の関係は、ラバージ博士の研究だけでなく、別の大学の研究チームによっても調べられています。
これは、成分が夢の中の意識に働きかけるという発想を裏づける、興味深い研究です。しかし、明晰夢への効果を調べた研究があることと、日本で明晰夢用の薬として承認されていることは別です。さらに、国内で同じ成分の薬が承認されていても、海外から取り寄せた製品まで、その承認に含まれるわけではありません。日本での承認は、成分の名前だけではなく、製品の品質や、どの病気にどう使うかといった条件を含めて行われます。
脳に働く薬は、夢だけを変えるわけではない
ガランタミンなど、日本では医薬品として扱われる成分を明晰夢のために自己判断で使うことは、日本で承認されていない目的で薬を使用することになります。これは、食品のサプリメントで栄養を補うこととは異なります。期待しているのは夢への効果ですが、薬の作用は夢の中だけに限られません。睡眠や身体の状態にも影響するため、副作用や、ほかに服用している薬との飲み合わせにも注意が必要です。
先ほど紹介したガランタミンの研究でも、研究者は参加者の持病や服用している薬を確認し、副作用についても調べています。しかし、自分で海外から薬を取り寄せて使用する場合、研究で行われたような健康状態の確認や管理を受けられるわけではありません。
厚生労働省が注意を促している理由
厚生労働省は、医薬品の個人輸入は輸入者の自己責任で行うものであり、危険性と必要性をよく考えるべきだと説明しています。なぜなら、海外から個人輸入する医薬品は、日本の制度による品質・効果・安全性の確認を受けていない場合があるからです。薬を取り寄せられることと、国がその使用の安全性を保証することは別なのです。厚生労働省は、特に次の点に注意を促しています。
- 製品の品質: 偽物や、不衛生な環境で作られた製品、健康に有害な成分が含まれる製品もあります。
- 使用に必要な情報: 外国語の説明や不十分な表示によって、使い方や注意点を正しく把握できないことがあります。
- 健康被害への対応: 医師・薬剤師でも海外製品の情報を十分に持っておらず、副作用への対応が難しくなることがあります。
つまり、「有名な成分だから」「海外で広く使われているから」「日本語の通販サイトで買えるから」という理由だけでは、手元に届く製品の品質や、自分に適しているかまでは分かりません。
また、個人輸入した薬によって健康被害が生じても、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象にはなりません。 この制度は、国内で承認された薬などを適正に使用したにもかかわらず、重い副作用が生じた場合に、医療費などを給付する公的な制度です。そのため、厚生労働省は医薬品の個人輸入を考えている人に対し、事前に医師や薬剤師などの専門家に相談するよう勧めています。
個人輸入は自己責任だからこそ、日本の法律や輸入条件を守り、使用に伴うリスクを十分に理解したうえで判断することが大切です。
海外のサプリメントや薬は、どこから取り寄せる?
海外から製品を取り寄せる方法には、海外の販売店へ直接注文する方法と、個人輸入代行サービスを利用する方法があります。個人輸入代行とは、本人からの依頼を受けて、海外への注文や発送の手配などを代わりに行うサービスです。 日本語で手続できるサイトもありますが、本人が海外から自分用の製品を取り寄せる仕組みであり、日本の輸入条件は変わりません。
個人輸入代行を案内しているサービスの例には、次のようなものがあります。
- オオサカ堂: 1997年から運営されている、歴史の長い個人輸入代行サイトです。海外の医薬品やサプリメント、化粧品など、幅広い商品を取り扱っています。価格が必ずしも他のサイトより安いわけではありませんが、品揃えが豊富で、さまざまな商品を比較して探せることが特徴です。
- ベストケンコー: 2008年から運営されている個人輸入代行サイトです。割引キャンペーンやクーポンなども用意されており、価格を比較しながら商品を探せるサイトです。
- アイドラッグストアー:1997年に開設された、日本法人が運営する個人輸入代行サイトです。海外の医薬品やサプリメント、化粧品などを取り扱っています。他の2サイトとの大きな違いは、国内で承認されている一般用医薬品の通信販売も行っていることです。
これは窓口の例を示すもので、利用や購入を勧める紹介ではありません。各サイトで扱われているすべての製品について、このサイトが輸入の適法性や品質を確認したという意味でもありません。
海外の薬を調べていると出てくる「ジェネリック」とは?
海外の医薬品を扱うサイトを見ると、同じ成分の薬が、違う製品名や価格で掲載されていることがあります。そこで出てくる言葉が「ジェネリック医薬品」です。
先に開発された薬を「先発医薬品」といい、その特許期間などが終わった後に、同じ有効成分を使って作られる薬を「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」といいます。一般に、先発薬より開発費を抑えられるため、薬の価格も安くなります。
日本で承認されるジェネリックは、先発薬と同じ有効成分を同じ量含み、効き目や安全性が同等であることを確認して承認されます。添加剤や見た目などが違う場合はありますが、値段が安いから有効成分が少ないという意味ではありません。ただし、海外サイトで「ジェネリック」と紹介されている製品が、日本でも承認されているとは限りません。
また、日本国内で処方箋が必要な薬は、ジェネリックでも処方箋なしでは買えません。海外から個人輸入する場合は、国内での購入とは別に、日本の輸入条件が適用されます。ジェネリックという名前だけで、成分ごとの規制や必要な手続がなくなるわけではありません。
決まりを理解したうえで、成分と夢の関係を知ろう
個人輸入は、条件を守れば認められている入手方法です。ただし、使用する場合は、法律や輸入条件を守り、リスクを理解しておくことが大切です。
このカテゴリでは、成分の作用、明晰夢を調べた研究、文献で提案されている組み合わせを、それぞれの根拠に沿って紹介していきます。その目的は、成分と夢の関係を知るための情報を届けることであり、サプリメントや医薬品の使用を勧めることではありません。
参考文献・一次資料
- LaBerge, S., LaMarca, K., & Baird, B. (2018). “Pre-sleep treatment with galantamine stimulates lucid dreaming: A double-blind, placebo-controlled, crossover study.” PLOS ONE, 13(8), e0201246. 論文全文
- Sparrow, G. S., et al. (2018). “Exploring the effects of galantamine paired with meditation and dream reliving on recalled dreams: Toward an integrated protocol for lucid dream induction and nightmare resolution.” Consciousness and Cognition, 63, 74–88. 論文全文
- 大栁賀津夫(2019)「医薬品(全般)の個人輸入実態調査」『個人輸入されるライフスタイルドラッグの実態に関する研究―主に美容関連薬及び脳機能調整薬について―』平成30年度分担研究報告書、11–55頁 研究報告書
- 厚生労働省(2024)「試験問題の作成に関する手引き(令和6年4月一部改訂)」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」・第4章「薬事関係法規・制度」 公的資料
- 厚生労働省(2026)「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」 公的資料
- 厚生労働省(2026)「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」 公的資料
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「レミニール錠・OD錠・内用液」添付文書 医薬品情報
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)(2026)「メラトベル顆粒小児用0.2%/錠小児用1mg・2mg」添付文書(2026年9月改訂、第7版) 医薬品情報
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ミオカーム内服液33.3%」添付文書 医薬品情報
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ニコレット」添付文書 医薬品情報
- National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. “Choline — Health Professional Fact Sheet.” 公的資料
- National Institutes of Health, National Center for Complementary and Integrative Health. “Melatonin: What You Need To Know.” 公的資料
- National Institutes of Health, National Library of Medicine. “5-Hydroxytryptophan.” PubChem. 成分情報
- 厚生労働省「医薬品等の個人輸入に関するQ&A」 公的資料
- 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」 公的資料
- 厚生労働省(2025)「『医薬品等輸入確認要領』の改正について」(2025年6月30日通知) 公的資料
- 厚生労働省「数量にかかわらず輸入確認を必要とする成分一覧」 公的資料
- 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」 公的資料
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度の給付対象」 公的資料
- 厚生労働省医薬食品局審査管理課(2014)「ジェネリック医薬品Q&A」『後発医薬品品質情報』No.2、7–8頁 公的資料
- 厚生労働省「後発医薬品(ジェネリック医薬品)及びバイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進について」 公的資料
